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お仕事紹介:横浜YWCAのカフェリーフレット


横浜YWCA「Yカフェパーショ」のリーフレット

少し前ですが、横浜・関内にある、 横浜YWCAが運営するカフェ「Yカフェパーショ」

リーフレットのコピーを書きました。

TOPのメインのキャッチコピーと、中面のキャッチコピー及びボディコピー、

ほとんどのテキストを担当させていただきました。ありがとうございます。

YWCAは、キリスト教を基盤に、女性の社会参画を進め、 人権や健康や環境が守られる平和な世界を実現する国際NGO。 日本中にいくつかある中の一つが、この横浜YWCAです。

横浜YWCAの中には、女性の就労支援の場としてカフェが運営されています。 そのカフェのリーフレットが、今回のお仕事。

横浜YWCA「Yカフェパーショ」のリーフレット

なお、このお仕事は私個人が直接受注したものではなく、

NPO法人サービスグラントでプロボノという形で関わらせていただいたものです。

※サービスグラントやプロボノについては下記リンクをご覧ください。

 

もともと横浜YWCAとしては、生きづらさを抱える女性たちが

カフェでの接客を通じて、少しずつ働くことに慣れていってもらい、

社会参加の第一歩を踏み出してもらう場としてカフェを運営しています。

それはとても大切な理念。運営側として立派な姿勢です。

しかし、一方で、カフェを利用する人の立場というものもあります。

皆さんはカフェを利用する時って、どんなこと考えますか?

「美味しいコーヒーが飲みたい」

「ちょっと小腹を満たせる軽食があるとうれしい」

「ケーキと紅茶のセットがあるといいな」

「静かにゆっくりしたい」

こんな感じでしょうか?

正直カフェに入る時に、カフェの理念を意識して入ることはなかなかないですよね。

もちろん、行ってみたカフェが、生きづらさを抱える女性の就労支援の場と知ったら

応援したいという気持ちを持って、次回も来てくれるお客さんも出てくるはず。

けれど、始めから

「ここは、就労支援のカフェです」と言って来店を促されることは

お客さんとしてはちょっとハードル高いものです。

カフェを利用する目的はあくまで自分都合。

自分の欲を満たしてもらって初めて利他へと関心が向きます。

これは、例えばフェアトレード商品でも同じです。

途上国支援だから気に入らないデザインの服でも買います、ということは稀。

長い目で見れば、途上国支援という理由で買ってもらうより、

デザインが素敵という理由で買ってもらえる方がいいはずです。

 

私たちは、ヒアリングや近隣市場調査などをしながら、

お客さんから見て「Yカフェパーショ」にはどんな「ウリ」があるのかを探りました。

デメリッットに関してもちゃんと考えます。

週1回しか提供していないランチは、むしろ「限定」としてプレミア感を出す、

入り口がわかりづらい点も、マップを描くことでカバーするなど。

リサーチの結果見えてきたことは、

「持ち込みOKというメリットを享受できる層として、子育てママへのアプローチ」

「スロープ付きの店内や段差が少ないという環境を活かして、車椅子利用の方へのアプローチ」

「社会福祉士がいることを活かし、福祉施設の社会見学の拠点としての利用提案」

などでした。

それが、リーフレット内面のコピーになりました(上記写真)。

「子どももママも、よそゆきをちょっとお休みしよう。」

「誰もがフリーに過ごせるひととき。」

子育てママや子供にとって、街中は気の抜けない場所やシーンがたくさん。

ここ「Yカフェパーショ」なら、親の目も届き、子連れでゆっくりしてもらえる。

離乳食の持ち込みもできるし、オムツ替えもできる。おもちゃもある。

車椅子を利用している方にとって、

一般的なカフェは通路が狭かったり使い勝手は良くないもの。

「Yカフェパーショ」の周りには、

歩道の幅も広く、平らで移動しやすい観光スポットがたくさん。

そして、TOPには、こんなコピーをつけました。

「木陰で一息つくような、優しい時間。」

NGOということもあって、スタッフの皆さんはホスピタリティに溢れ、

静かに過ごせる空間は、例えるなら「木陰」。

夏の日に外を歩きながら、TOPのコピーをぼんやり考えていたところ、

街路樹の木陰に足を踏み入れた瞬間、陽射しが遮られてホッとしたと同時に、

この「木陰」というキーワードがカフェのイメージにぴったりだと閃きました。

 

コピーとは、決して「かっこいい言葉」を連ねるだけではない。

本当に伝えるべきことを見つけ出し、それをより伝わりやすい言葉で表現すること。

このお仕事を通して、その基本中の基本を再認識することができました。

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